ゼロから始めるボイチェン入門 - さえの音響・音楽教室

f:id:saeokuri:20191215183341p:plain こんにちは！！！ ( ᐢ˙꒳˙ᐢ )
ボイスチェンジャー使って本格的な歌ってみたを作りたい。VSingerの小栗さえと申します！！

小栗さえ🐾🎤（芸名：青葉さえ） (@OkuriSae) | Twitter

これはボイスチェンジャーアドベントカレンダー1日目の記事です！

adventar.org

なかなか人が集まらなくて20日ぶん担当になってしまったけど、ネタはいっぱいあるから頑張って書いていきます！

今回は「今から始めるボイチェン入門」ということで、ボイスチェンジャーを知らない人向けに大まかな枠から解説していきたいと思います。

いろいろな声を変える方法
ケース別の最小構成
ボイチェンに合った声の出し方
- 素の声を女性に近づける
- ピッチを下げた時の女性の声を真似る

いろいろな声を変える方法

ボイスチェンジャー（ピッチシフト/フォルマントシフト）

今回のアドベントカレンダーで書いてくのはこのタイプです。
元の声にピッチシフターとフォルマントシフターと呼ばれるエフェクターを通して、女性に近い音声波形に変調させる方法です。

エフェクターの種類としては以下のような形式があります。

ハードウェアエフェクター
- 低遅延、PC不要
- VT-4 など
ソフトウェアエフェクター
- スタンドアロン型
  - ホストアプリ不要、簡単
  - 恋声, バ美声など
- プラグイン型
  - 要ホストアプリ、カスタマイズ性◎
  - Rovee, Graillon など

詳しくは次回以降に説明しようと思います。

音声変換

機械学習によって作られた音声変換フィルターを通してボイスチェンジする方法です。
声質は予め用意されている音声モデルから選ぶことができ、元の声質にあまり左右されないのが強みです。

CRIMSON TECHNOLOGY社がSDKやアプリをリリースしています。
https://crimsontech.jp/works/rcvoice/

個人でディープラーニングを使って歌声音声合成エンジンを作られている方もいるようです！
学習データには東北きりたん歌唱データベースが使われているそうです。
https://blog.hiroshiba.jp/create-singing-engine-with-deep-learning/

声帯手術

手術によって声帯周りの筋肉や軟骨を異性に近づける方法です。
性同一性障害の方向けの手術となるので今回は割愛します。

詳しく知りたい方は以下のブログが参考になるかもです。

声の女声化手術のあれこれ〜声帯手術法の徹底比較〜

両声類

機械を使わずボイストレーニングのみで異性の声を（も）出せる人はネット上で両声類と呼ばれています。
満足のいく声になるまでは数年規模のトレーニングが必要になるようです。

ボイスチェンジャーを使う際も、女性に近い声の方がボイスチェンジャーの比率を下げられるので、両声類向けのトレーニングもしていくと良いと思います。

ケース別の最小構成

とりあえずボイチェンを試してみたい

手元でボイチェン環境を作る

マイク（USB接続でもなんでも） → PC→スタンドアロン型のソフトウェアボイチェン → ヘッドフォン/スピーカーなど

スタンドアロン型のボイスチェンジャーは以下などがよく使われているようです

UserLocalボイスチェンジャー

オンラインで録音、変換を行ってくれるサービスです。
「バーチャルYouTuberランキング」の運営などをしている株式会社ユーザーローカルが提供しているサービスです。
https://voice-changer.userlocal.jp/

お試しボイチェン企画

音声ファイルをもらえれば、私の方で変換することもできます。

🍀企画募集🍀
ボイチェンで遊んでみたい人や試してみたい人に！
ぼいちぇんお試し企画だよー( ᐢ˙꒳˙ᐢ )

こちらで変換だけするので、変換結果はご自由にお使いください！
長いセリフでも大丈夫👌👌

先着順でゆるゆるとやりまぁす🎛️🎚️#Vtuber #ボイチェン pic.twitter.com/GMR9HYmMbf
— 小栗さえ🐾🎤（芸名：青葉さえ） (@OkuriSae) 2019年11月6日

ボイチェンして通話や配信がしたい

上記の構成では変換後の音声が スピーカー出力 となってしまうので、 マイク入力 に直さないとボイスチャットや配信に乗せることができません。以下の音声ルーティングソフトによって、スピーカー出力を仮想的なマイク入力に繋ぐことができます。

ステレオミキサー
VB-Audio VoiceMeeter Banana
NETDUETTO

以下のような構成になると思います。
マイク → PC → ボイスチェンジャー（インプットにマイクIN、アウトプットに仮想マイクINを指定） → ボイスチャットor配信ソフト（インプットに仮想マイクINを指定） → 通話相手や配信先

Clownfish Voice Changer

Clownfish Voice Changerというボイスチェンジャーは普通のボイスチェンジャーとは違い、Skypeなどのネット通話専用に作られています。
ドライバを指定してボイスチェンジャーを適用させるタイプとなっていて、変換後の声がそのままマイク入力となり、音声ルーティングが必要ありません。
便利なツールですが、欠点としてはピッチとフォルマントが連動している仕様のため、合う人にしか合わない（細かい調整ができない）ようなツールになっています。

遅延がきになる、歌ったりしたい

ボイスチェンジャーの種類によっては変換遅延が発生するものがあります。
ボイスチェンジャーによる遅延は聴覚遅延フィードバックと同じような効果が起こり、年齢や性別、発話の速さなどで発話阻害効果に差が出るようです。

遅延の少ないスタンドアロン型ソフトを試してみる
- Gachikoe!が遅延少なめだそうです
ハードウェアボイスチェンジャー（VT-4など）にする
- ほぼ無遅延になります。
プラグイン型ボイスチェンジャーにする
- 構成が複雑になるので次回以降に説明します。
- プラグインをホスティングする環境（各種DAWやVSTHostなど）が必要になります。
- マイクとPCを繋ぐ際にオーディオインターフェースが必要になります。