もっと!VSTとDAW
おはよう!!! ( ᐢ˙꒳˙ᐢ ) 小栗さえだよ~~~!!
ボイチェンアドベントカレンダー17日目!
DAWとVSTプラグインをもっと使いこなすためのいろいろ書いてくよ~~!!
今回はボイチェン関係なしにDAWを使った音声の編集や、エフェクターの説明をしていきます!
配信や動画で声をよくしたい人全員必見!
プロの音声さんとかが裏でやってること、意外と個人でもできたりします。
リスナーさんに最高の声を届けるためにガンガン覚えていきましょう!!
DAW
DAWによるレコーディングや音声クリップの編集について解説します!
前回解説したFL Studio 20を使っての解説になります。
録音のやりかた
録音したいトラックを指定して、録音ボタンをONにしながら再生ボタンを押します。
▼録音したいトラックの録音スイッチをONにする(複数トラックもOK)
▼録音ボタンをONにする
▼再生ボタンで録音
録音の止め方として、同じ場所から再開できる「一時停止」と、最初から録音し直す「停止」があります。
録音のON/OFFは「R」キー、再生/停止は「Space」キーがショートカットになっています。
Playlistウィンドウで録音中の様子を見たり、録音されたテイクを編集することができます。
録音されたテイクはダブルクリックで詳細が表示されます。
ファイルの保存先を確認したり、再生するトラックを選べます(デフォルトはマスタートラック)。
▼テイクをダブルクリックで詳細表示
加工前の音声も録音する
トラックのセンド(音声出力先)を分けることで加工前後の音声を同時に録音できます。
▼トラック1の出力をトラック2に繋いで、トラック1のマスター出力を切る
▼トラック2にエフェクターを指し、トラック1と2を録音ONにする
テイク編集
録音されたテイクの編集方法です。
テイクをカットして間を詰める
テイクを細かくカットし、不要な部分を削除した後、残りの部分を移動します。
▼テイクのカット
▼クリップの削除
▼クリップを詰める
オートメーションによるフェードイン/アウト
オートメーションという機能で、時系列にボリュームなどのパラメーターを変えることができます。 時系列に設定したオートメーションをエンベロープといいます。
▼マスタートラックのボリュームオートメーションの追加
▼エンべロープを書く
音声ファイルの読み込み
音声ファイルをPlaylist画面にドラッグ&ドロップします。 音声クリップとして追加されるので、再生トラックを指定したり、再生位置を調整します。
音声ファイルの書き出し
メニューからエクスポートを選びます。 Waveやmp3など好きな形式でエクスポートできます。
エフェクター
ここからは声に関係するエフェクターを紹介していくよ!
エフェクターありとなしでは大違い!ノイズばりばり、声が篭りがち、耳が痛いなどの辛い症状を和らげます!
ノイズ除去(noise reduction)
ノイズを減らす(S/N比を向上させる)働きをするプラグインをノイズリダクションと言います。
ノイズ減算
配信者の中で有名な、ReaFirというプラグインのSubtract(減算)機能を使う手法です。 無声区間のノイズを記録して、常にそのノイズ分を再生音声から減算するという形でノイズを低減します。 ホワイトノイズ などの定型ノイズに対して効果がありますが、減算の結果、音が篭ったり自然でない音が現れたりします。
▼ReaFir(Subtract)
ゲート(Gate)
ゲートは規定値に満たないレベルの音を0にする機能です。規定値は自分で設定します。
減算処理などは行わないので自然な音声となりますが、小声部分が切れてしまったり、発声の開始と終了が不自然になる可能性があります。
▼Fruity Limiter(Noise Gate)
コンプレッサー(Comp)
コンプレッサーは大きいレベルの音を圧縮(減衰)して、声のレベルを平均化するプラグインです。
声のレベルが平均化されると、小さい音は聞き取りやすく、大きい音で耳が痛くならないので視聴者に優しくなります。 感情表現が大きい人や、声のボリュームが制御しづらいシチュエーション(ゲーム配信など)に有効です。
▼Fruity Limiter(Drum Compression)
また減衰の入り、抜き(アタック、リリース)の調整で、声の鮮明さ(トランジェント)なども調整できます。
リミッター(Limitter)
リミッターは規定値を超えた音のボリュームを均一化し、音割れを防ぐ機能です。
放送だと多少の音割れを気にすることはないですし、頻繁に割れるならそもそもボリュームが大きすぎる可能性があるので、気になれば使う程度で良いです。
イコライザー(Eq/Equalizer)
周波数帯別に音声レベルをコントロールできるエフェクターです。
音が篭る方は高周波帯を増幅して、音がシャキシャキし過ぎている人は高周波帯を減らしてみてください。
▼Fruity Parametric EQ2
MIXでよく使われる設定ですが、女性100Hz近辺をカットして4~8kHz、8kHz以上を上げてみると音が引き締まり、男性は2~5kHzを少し上げてみると声の芯が出ると言われています。 ボーカルが伴奏に埋もれないためのノウハウなので通常会話でどれぐらいよくなるかはわかりませんが、試してみても良いと思います。
ディエッサー(DeEsser)
ディエッサーは歯擦音(sibilant-noise)と呼ばれる耳に痛いサ行の発音を抑制するエフェクターです。
基本的には歯擦音に対応する周波数帯を減衰する形で実現されます。
男女や個人で歯擦音の周波数帯は異なるので、一番聞こえが良くなるかけ方を分析する必要があります。
▼ReDeEsser
エンハンサー/エキサイター(Enhancer/Exciter)
基音周波数を特定して、倍音成分のみ増幅するエフェクターです。
音が篭りがちな人は試してみると良いと思います。
▼ModernExciter
ボイスチェンジャーとも相性が良いみたいです。(男性の声の倍音成分が女性より少ないからかも)
リバーブ(Reverb)
残響音を演出するエフェクターで、いわゆるカラオケのエコーです。
空間演出系エフェクターと呼ばれ、部屋で録音してる感を出したりできます。
歌配信などでも使うかと思います。
▼Fruity Convolver
聞き比べ
上記で紹介した全効果をかけていきながら、それぞれ出力してみました!元のファイルは一緒です!
▼エフェクターなし
▼+ノイズ減算(定型ノイズのカット)
▼+ノイズゲート(無声区間のボリュームカット)
▼+コンプレッサー(ボリュームレベルの圧縮と底上げ)
▼+ディエッサー(歯擦音の低減)
▼+エキサイター(倍音成分増幅)
▼+空間演出(小部屋の残響感の合成)
▼エフェクター全部乗せの図
おわりに
今回はVTuberや配信者向けに便利な機能やエフェクターを紹介しました!
撮りっぱなしの音声よりは断然聞きやすくなると思うので、是非試してみてください!!
次回は「両声類用トレーニングについて」解説してみようかなと思います!お楽しみに〜