ボイスチェンジャーの遅延
おはよう!!! ( ᐢ˙꒳˙ᐢ )
小栗さえだよ~~~!!
ボイチェンアドベントカレンダー8日目!「ボイスチェンジャーの遅延」の回です!
ボイスチェンジャーを使っていく上で切っても切れない関係になる遅延。
色々な原因で遅延は発生するので、どのような部分で遅延が発生しているのかを覚えておくと原因の切り分けに役立ちます!
人間の聴覚と遅延(レイテンシ)
通常、人間の発音は骨伝導により1ms程度の時間で鼓膜に届きます。 ボイスチェンジャーなど音声信号処理を行い、20ms以上のレイテンシが発生してしまうと遅延を感じられるようになってきます。 さらに遅延が大きくなり50msを超えてくると、遅延聴覚フィードバックという発話阻害効果が現れてきます。
またカラオケなど歌を歌う場合は会話より許容値がシビアになり、3~5ms以下のレイテンシーでないとうまくタイミングを取れなくなってしまいます。
楽器類のレイテンシーは声の時とはまた異なり、遅延に関する要件は声より緩くなるそうです。
(楽器で耐えれるレイテンシーでも声では耐えられないことがある)
遅延の原因になるもの
無線接続による遅延
Bluetooth
Bluetoothで使われているA2DPというプロファイルは0.2秒程度の遅延があります。
またBluetooth機器で採用されているコーデックによっても遅延が前後します。「AAC」や「aptX」が採用されているものが遅延に強いコーデックのようです。
無線の親機と子機が離れていたり障害物があると遅延も大きくなるので注意しましょう。
赤外線通信
製品は少ないですが赤外線通信のマイク、ヘッドフォンはBluetoothに比べて遅延が大分少ないので、試してみるとよいかもしれません。
A/D、D/A変換
オーディオインターフェースが搭載するADC[デジタル-アナログコンバータ]およびDAC[アナログ-デジタルコンバータ]が、アナログ信号をデジタル信号に(またはデジタル信号をアナログ信号に)変換する際の遅延です。
高品質なA/D-D/A変換エンジンを持つオーディオインターフェースを導入することによって改善します。
低レイテンシを目指したADC「AK557x」のインタビュー記事なども見てみると面白いです。
「ADC」がハイレゾの未来を拓く? 旭化成が目指す“究極”の音。レコードで聴き比べも - AV Watch
オーディオバッファ(IN/OUT)
オーディオインターフェースを導入している場合、オーディオバッファサイズが選べます。
デバイスのオーディオバッファサイズを小さくすると負荷が高くなる代わりに遅延が小さくなり、大きくするとシステム負荷が下がり安定する代わりに遅延が大きくなります。
発生する遅延は計算可能で、バッファサイズ/サンプリングレートとなります。
例えばバッファサイズを96sampleにし、サンプリングレートを96kHzにした場合。64/64000=0.001secの遅延が発生します。
オーディオドライバ
オーディオドライバによっても遅延が発生します。
基本的にはASIO対応のオーディオインターフェイスを使っておけばOKです。
推奨ドライバー(低遅延)
- ASIO: Steinberg社が開発した音楽制作系でスタンダードなドライバ
- WDM/KS: 低遅延を目的としたWDMの改良インターフェイス
- WASAPI: Windowsが提供する新しいオーディオAPI
- Core Audio: Mac標準のドライバ
非推奨ドライバー
ボイスチェンジャーのレイテンシー
ボイスチェンジャーによっても一定の遅延が発生します。
以下に低遅延のボイスチェンジャーをまとめたので試してみてください。
(PCスペックや環境に寄ってしまうので具体的な数値は記載していません)
遅延の少ないボイスチェンジャー
スタンドアロン型
プラグイン型
遅延の大きいボイスチェンジャー
ハードウェアは遅延に対して最強
VT-4などのハードウェアボイスチェンジャーは上記の問題を殆ど無視できるので、遅延に対してはとても強いです。
入力を分岐してモニタ用にハードウェアボイスチェンジャーを使っているような方もいるようです。 少し手間ではありますが、相性はいいが遅延が大きいボイスチェンジャーを使いたい場合などにはいいかもしれません!
おわりに
ボイスチェンジャー自体の遅延についての話が多いですが、オーディオインターフェースの有無やデバイスの設定でも大きく変わります。
遅延の原因はいろいろあり原因の特定は難しいですが、1個1個確認していけば改善可能なものも多いので、あきらめずに追及していきましょう!
次回は「声区と声区変換」について解説したいと思います!お楽しみに〜〜